洗濯機で特に人気のメーカーといえば日立やパナソニック。ドラム式洗濯機はこの2メーカーが日本製ということもあり、安心感もありますね。
しかし日立のドラム式洗濯機は他のメーカーと乾燥方式が異なり、その影響もあって「日立のドラム式洗濯機は乾燥したら臭い」という口コミが広がっていました。
実際に私も家電量販店で働いているときに、何度も問い合わせと受けました…。
しかし今は臭い問題も解決されています。
今回はそんな日立ドラム式洗濯機「ビッグドラム」の最新事情について解説していきます。
本記事の信頼性
この記事は家電販売歴10年以上の私nananが書いています。
おうちに居ながら皆さんの家電選びのお手伝いが出来るように日々記事を執筆中。
- こんな悩みを解決します
- ・日立ドラム式洗濯機が臭いと言われていた理由は?
・日立ドラム式洗濯機は本当におススメ?
・「BD-STX130J」「BD-SX120J」がヨドバシで売っていない理由は?
Contents
日立ドラム式洗濯機が臭いと言われ続けた理由
そもそも乾燥時の臭い問題については日立に限らずどのメーカーの洗濯機でも可能性はゼロではありません。しかしその中でも特に日立のドラム式洗濯機に臭い問題が多い理由は独自の乾燥方式が原因だと言われています。
ヒートリサイクル式という乾燥方式が原因
日立のドラム式洗濯機は数年前まで「ヒートリサイクル式」という乾燥方式を採用していました。
ヒートリサイクル式は、洗濯工程中に発生した運転熱を乾燥時に利用することで、従来のヒーター式よりも省エネ性を高める方式なのですが、乾燥時の排気を排水口に向けて行う独自の仕組みが原因で臭い問題が発生する場合もありました。
ヒートリサイクル式については別記事で詳しく解説しています。
臭いの原因は洗濯機自体の問題とは限らない
ドラム式洗濯機で乾燥をしたときの臭い問題は、洗濯機本体に問題があるとは限りません。
そもそも日立に限らず、どのメーカーの洗濯機も臭い問題での問い合わせを受けましたが、使い方など別の原因がある場合も多いです。
私はパナソニックのドラム式洗濯機を利用していますが、1度も乾燥したら臭くなるということはありませんでした。
ちなみに乾燥したら衣類が臭くなる主な原因はこちら。
- お手入れ不足(洗濯槽、糸くずフィルターなど)
- 排水口の汚れ
- 運転後もずっと衣類を洗濯機の中に放置している
特に洗濯槽の槽洗浄をサボっているとカビが発生して臭くなります。洗濯槽クリーナーを使って槽洗浄をおこないましょう。
2023年発売モデルから日立もヒートポンプ式採用
ヒートリサイクル式特有の臭いリスクを回避するため、日立は2021年発売モデルから「風アイロン方式」というヒーター式へと乾燥方式を変更。これで排水口への排気問題を解決しましたが、風アイロン方式は今までよりも電気代水道代が高くなり、省エネ性が落ちてしまっていました。
そこで2023年、ついに日立も他メーカーと同様に「ヒートポンプ式」を採用!
これで臭い問題と省エネ性問題の解決に動いてきました!
電気代水道代大幅節約
日立のドラム式洗濯機の新旧モデルで光熱費の違いをチェックしてみましょう。
型式 | BD-STX120H 2022年発売モデル | BD-STX130J 2023年発売モデル |
洗濯容量 洗濯乾燥容量 | 12㎏ 6㎏ | 13㎏ 7㎏ |
乾燥方式 | 風アイロン方式 (水冷式ヒーター) | ヒートポンプ式 |
洗濯乾燥時間(約) | 98分 | 93分 |
電気代(約) | 48.7円 ※6㎏洗濯乾燥時 | 35.7円 ※7㎏洗濯乾燥時 |
水使用量(約) | 86L | 65L |
運転時間、電気代、水使用量どれにおいてもヒートポンプ式を採用している2023年モデルの方が良い数字を叩き出しています。
そして注目して欲しいのが、新型の方が洗濯乾燥容量が1㎏多いという事実。1㎏多い量を洗濯乾燥しているのに旧型よりも短い時間、少ない電気、水で運転できているんです。
国内主要メーカーの中で最速の運転時間
上の表にも記載してありますが、7㎏の洗濯乾燥の運転時間が93分とかなり速い!
これは国内主要洗濯機メーカー(日立、パナソニック、東芝、シャープ)の中では最速になります。
タオルなど衣類の種類で分けて洗濯乾燥しているなど、1日何度も洗濯する家庭は効率が上がって嬉しいポイントです。
もちろん、93分というのは目安なので注意!実際には気温や湿度、衣類の質など色んなものに影響されるので記載されている時間の1.5倍くらいで考えておくのが良いです。
乾燥中のドアの開閉が可能に
今まで日立公式として紹介していなかった、「乾燥中のドアの開閉」がしっかり明示されるようになりました。
これは低温乾燥できるヒートポンプ式ならではの恩恵。高温乾燥になりやすいヒーター乾燥は運転終了後も温度が下がるまでドアを開けることができないので急いでいるときは不便でした。
低温乾燥なら衣類へのダメージも少ないので乾燥しても衣類の縮みが少ないです。
日立ドラム式洗濯機を購入する際の注意点
日立のドラム式洗濯機の一番の特徴は昔から「風アイロン」を使った乾燥後の仕上がりの良さです。
他メーカーのドラム式洗濯機よりも広い洗濯槽の中で強い乾燥風をどんどん送り込むことで衣類のシワを効率よく伸ばしていくことができます。
さらに2023年モデルからはヒートポンプ式になったことで、今まで弱点だった省エネ性の悪さを解決してきて死角なしと言って良いくらいのドラム式洗濯機になりました。
すごく良いドラム式洗濯機ですので、販売員歴10年以上の私から見てもすごくおススメなんです。
しかし購入の際の注意点もあるのでここで紹介しておきます。
ヒートポンプ式は上位2機種だけ
散々ヒートポンプ式になったと解説してきましたが、ヒートポンプ式になったのは2023年モデル4機種のうちの上位2機種だけです。
BD-SV120JやBD-SG110Jは従来通りの「風アイロン方式(ヒーター式)」になります。
ヒートポンプ式は以下の2機種です。
BD-STX130J
- BD-STX130Jの特徴
- ・洗濯容量/洗濯乾燥容量:13㎏/7㎏
・カラータッチ液晶操作
・ダニ、花粉対策コースをはじめ、SX120Jよりも対応コースが多い
日立ドラム式洗濯機の最上位モデル。幅広い洗濯コース、乾燥コース、衣類ケアコースを搭載しながらも使いこなしやすいようにタッチ液晶で使いやすい操作感が特徴。
容量も大きいので洗濯物が多い家庭や、仕上がりをとことん重視したい家庭の第一候補になります。
BD-SX120J
- BD-SX120Jの特徴
- ・洗濯容量/洗濯乾燥容量:12㎏/6㎏
・プッシュボタン式操作
・最上位のSTX130Jよりも約4万円安く購入できる
タッチ操作が苦手という方や複数のコースはあまり使わず、基本的な使い方しかしないという家庭はこちらのSX120Jがおススメ。
容量は13㎏ではなく、他メーカーと同様の12㎏になりますが正直十分すぎる量なのであまり気にしなくて良いと思います。
値引き交渉ができない
ヒートポンプ式の2機種は「メーカー指定価格商品」となっていてどの家電量販店で購入しても価格が同じになっており、さらに値引き交渉もできないです。
数年前からパナソニックが他に先駆けて導入した制度です。詳しくは別記事で解説しています。
メーカー指定価格の商品をお得に購入する場合、家電量販店での購入なら延長保証や配送サービスなどを比較し、お得なところでの購入がおすすめ。
純粋な価格でのお得度なら、実は楽天やYahoo!などのネット購入の方がポイントたくさん付くので全然お得に購入できます。
取扱店が限定されている
誰もが知っている国内大手メーカーの日立ですが、メーカー指定価格の日立ヒートポンプ式2機種はどの家電量販店でも取り扱いがあるわけではありません。
ヨドバシカメラでは2024年3月時点でもお店に展示もないですし、注文することすらできません。
同じく日立のメーカー指定価格商品である、紙パック式掃除機「PKV-BK50L」もヨドバシでは販売されていないようです。
恐らくですが、メーカー指定価格商品だけヨドバシと日立で商談がうまくいっていないのでしょうね。
日立メーカー指定価格商品を買いたい場合は、ヨドバシ以外の家電量販店かネットでの購入となります。
風呂水は使えない
2023年発売の日立ドラム式洗濯機は全機種風呂水非対応になりました。
どのメーカーもここ数年非対応機種を増やしてきてはいましたが、ついに日立は全機種非対応にしてきましたね。
もともとドラム式洗濯機は縦型式に比べて使用水量が少ないので、風呂水を使ったところで節水の恩恵は少なく、お手入れが増えることからも風呂水を使っている方が少ないようです。
風呂水をこのまま対応させ続けても製造コストが上がって本体価格が高くなるだけなので仕方ない判断だと思います。
風呂水を普段から使っていた家庭は購入の際、注意しましょう。
まとめ
日立ドラム式洗濯機で多くの批判があった“乾燥時の臭い問題”。
原因は以前の乾燥方式である「ヒートリサイクル式」によるものであり、今はその方式は採用されていないので改善されています。
さらに2023年発売モデルからは上位2機種がヒートポンプ式を採用して省エネ性も大幅アップ!もともと定評のあった乾燥の仕上がりも考えると相当使い勝手の良い洗濯機へと進化を遂げています。
しかしヒートポンプ式の2機種はメーカー指定価格商品となっているので値引き不可。しかもヨドバシカメラでの取り扱いはありません。
お得にゲットしたいならポイント還元の大きい楽天やYahoo!がおすすめですし、どうしても家電量販店で購入したいなら延長保証や配送サービスがより良いお店を選びましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。