ドラム式洗濯機の中でも長年人気を維持し続けているメーカーのひとつ、日立。どこの家電量販店でももちろん取り扱いがある超有名メーカーですが、ヨドバシカメラだけ一部の日立商品の取り扱いが無くなっています。
対象機種は「メーカー指定価格商品」に日立が設定している機種で、ドラム式洗濯機の上位機種や一部掃除機がそれに含まれます。
特にドラム式洗濯機はパナソニックに次ぐ人気機種だったので、取り扱いしないというのは衝撃的でした。
- ヨドバシカメラで取り扱いのない日立ドラム式洗濯機
- BD-STX130JL-W
BD-STX130JR-W
BD-SX120JL-W
BD-SX120JR-W
この記事では、日立ドラム式洗濯機がヨドバシで取り扱いが無い理由と、その日立ドラム式洗濯機の評価について家電のプロ目線で解説していきます。
追記(2024年6月13日)
日立の指定売価商品が一斉にヨドバシカメラで展示、販売がスタートしています!
本記事の信頼性
この記事は家電販売歴10年以上の私nananが書いています。
おうちに居ながら皆さんの家電選びのお手伝いが出来るように日々記事を執筆中。
ヨドバシカメラで日立ドラム式洗濯機が販売されていない理由
先に断っておきますが、私はヨドバシカメラや日立の上層部の人間ではないので、本当の理由はわかりません。しかし家電量販店での販売経験が長いので、私に入ってくる情報をもとに推測した内容をお伝えします。
ヨドバシ側と何かしらの条件が折り合わなかった
小売店がその商品を取り扱うかどうかを判断する場合、主に以下のような条件をクリアしているかを考えます。
- 一定数売れる見込みがあるか
- 利益はどのくらいとれるか
- その他のリスクな無いか
今回、ヨドバシで取り扱いが無いのは日立製品すべてではなく、日立側が「メーカー指定価格商品」に指定しているものだけなので、ここが上記の条件面で折り合いがついていないのでしょう。
ちなみにメーカー指定価制度はパナソニックが2020年より導入して話題となりました。
詳しくは別記事で紹介しています。
一部では、「日立ドラム式洗濯機の臭い問題や故障が多いから取り扱いをやめた」などの噂もあるようですが、それであれば日立ドラム式洗濯機の全機種を取り扱い停止にするでしょうから、この噂は信ぴょう性に欠けます。
ヨドバシのポイント制度との相性が悪い
実は、ヨドバシカメラはポイントカード制度を初めて編み出した企業です。一部商品を除いてほとんどが10%ポイント還元となっていますが、この特典はメーカー指定価格商品との相性が悪いです。
メーカー指定価格商品は他店との条件を同じにしなくてはいけません。なので、例えば30万円の商品だとすれば、ヨドバシでは『33万円のポイント10%還元』とし、ポイント分を考えると実質同じ30万円という形になります。
しかしこれだと、ぱっと見「33万円」という数字は他店に比べて高く思われやすく、売り逃しに繋がりやすいです。
さらに、ヨドバシは定期的にポイントアップキャンペーンなど独自のセールもやるので、メーカー指定価格商品はこいうセールにも含めれない分取り扱いが難しいのだと思います。
パナソニックはメーカー指定価格商品でも販売されている
ヨドバシカメラがメーカー指定価格商品は扱いづらいと思っているのならなぜ日立はダメでパナソニックはOKなのでしょうか。
これも予測ですが、パナソニックはすでにかなりの商品をメーカー指定価格商品にしているのでそのすべてを取り扱いしないのはさすがに売り上げ的に厳しいというのが理由だと思います。
パナソニックは生活家電、カメラ、テレビ、美容家電などなどかなりカテゴリーも多いですからね…。
ちなみにパナソニックの指定価格商品は、ヨドバシでもポイント還元なしで販売されています。
【追記】ヨドバシでついに販売開始!
2024年6月13日時点の情報ですが、日立のメーカー指定価格商品がついにヨドバシで取り扱いをスタートしています。他の家電量販店やパナソニックの指定価格商品と同様に、ポイント還元は無し。
現在ヨドバシカメラ独自でキャンペーンを開催しているようで、日立指定価格商品をヨドバシ発行のクレジットカード「ゴールドポイントカードプラス」で決済すれば後日10%ポイント還元となっています。
キャンペーン中はヨドバシで購入した方が断然お得です!
ゴールドポイントカードプラスは年会費無料で作れますし、即日発行してくれるので持っていなくても店頭ですぐに申し込めます。
メーカー指定価格になっている日立ドラム式洗濯機の特徴
ヨドバシカメラで取り扱いのない日立ドラム式洗濯機はこちら。
- ヨドバシカメラで取り扱いのない日立ドラム式洗濯機
- BD-STX130JL-W
BD-STX130JR-W
BD-SX120JL-W
BD-SX120JR-W
日立の上位2機種になり、高性能&多機能なタイプになります。
その特徴について詳しく解説していきます。
ついに日立もヒートポンプ式搭載
ドラム式洗濯機の乾燥方式として今一番主流なのが「ヒートポンプ式」で非常に省エネ性が高く、また低温乾燥なので衣類が縮みにくいという特徴もあります。
日立は今まで「ヒートリサイクル方式」や「風アイロン方式」という、ヒーター式乾燥を貫いていましたがついに上位機種だけですがヒートポンプ式になりました。
型式 | BD-STX120H 2022年発売モデル | BD-STX130J 2023年発売モデル |
洗濯容量 洗濯乾燥容量 | 12㎏ 6㎏ | 13㎏ 7㎏ |
乾燥方式 | 風アイロン方式 (水冷式ヒーター) | ヒートポンプ式 |
洗濯乾燥時間(約) | 98分 | 93分 |
電気代(約) | 48.7円 ※6㎏洗濯乾燥時 | 35.7円 ※7㎏洗濯乾燥時 |
水使用量(約) | 86L | 65L |
ヒートポンプ式になったことで、旧モデルと比べて1㎏多く乾燥しつつ電気代も水道量も抑えることができています。
らくメンテでお手入れ回数激減
ドラム式洗濯機は、乾燥運転後に「乾燥フィルター」のお手入れが毎回必要です。かなりホコリが付着するのでしっかり掃除できていないと乾燥が上手にできなくなりますし、故障の原因にもなります。
日立の「らくメンテ」は乾燥フィルターのお手入れを不要にして、お手入れ回数を激減させています。
日立ドラム式洗濯機を買うべき人
ヒートポンプ式乾燥に対応した「BD-STX130J」「BD-SX120J」はこんな人におススメです。
- 一度に洗濯する量が多い
- 面倒くさがり
BD-STX130Jは洗濯容量13㎏、乾燥容量7kgまで対応になっていて、国内主要メーカーの中では最大容量です。
また、らくメンテにより、他のドラム式洗濯機と比べてもお手入れ箇所、お手入れ回数が少ないですし、洗剤自動投入のタンクも大きいのでこまめな詰め替えも不要。「とにかく楽したい!」というなら日立が第一候補になります。
ちなみに、タッチパネル操作不要、洗濯乾燥容量もここまでなくてOKなら「BD-SX120J」の方が価格が安いのでこちらを選びましょう。性能やできることは一緒です。
日立ドラム式洗濯機を買うべきでない人
逆に、日立を買うべきでない人も紹介しておきます。
- 省エネ性を重要視する人
- 故障リスクをできるだけ抑えたい人
ヒートポンプ式になったことで確かに以前と比べて電気代は安くなったのですが、他メーカーのドラム式洗濯機と比べると電気代高めです。省エネ性を重視するなら、パナソニックやシャープから選ぶことをおススメします。
また、故障リスクについてですが、実際に受けた問い合わせを紹介しておきます。
- らくメンテについて実際にあった問い合わせ
- ・糸くずフィルターにホコリがあまり溜まらない
・乾燥時間が長い、終わらない
もちろん使っている一部の方の意見です。
そして乾燥フィルターのお手入れが不要になった「乾燥フィルターレス」ですが、無くなったわけではなく、洗濯機内部にちゃんとあり、そこを自動でお手入れしてくれるという仕組み。
悪い言い方かもしれませんが、「取り外せなくなったことで、自身でお手入れできなくなった」ということです。
ホコリの付着率をセンサーでチェックしたりまではやっていないので、自動おそうじも完璧ではないですし、フィルターまでの経路で詰まったりするリスクももちろんあります。
お手入れの手間は減りましたが、不具合が生じたときに自身で解決する方法が減っているので、修理を呼ぶ必要性が高くなったとも言えるでしょう。
家電のプロが一押しするドラム式洗濯機
家電販売歴10年以上、洗濯機販売歴7年以上の私が一押しするドラム式洗濯機はこちら。
パナソニックの「NA-LX127C」です。一押しポイントはこちら。
- 洗濯と乾燥能力は充分良い
- お手入れしやすい設計
- 便利なコースが多い
特に「お手入れ性」と「充実したコース」は日立より優れていると思っています。
お手入れしやすい設計
パナソニックの乾燥フィルターは毎回のお手入れが必要ですが、かなり掃除しやすいシンプル設計になっているので数秒あれば終わってしまいます。
実は私自身、パナソニックを使っていますが、メインフィルターがステンレス製というのもあり、簡単にホコリがとれます。全然ストレスなしです。
フィルター手前のダクトも、専用のお掃除ブラシが販売されているのでそれを使えば内部に残ったホコリの掃除もできます。
「最近乾燥が弱くなったな…」と感じても、とりあえず自身で対策ができて修理を呼ばなくても済む可能性があるのは大事なポイントです。
便利なコースが多い
マウンテンパーカーなどの撥水性を復活させたり、敷きパッドやレースカーテン専用のコースがあったりと、実用性の高いコースが充実していて、本当に洗濯機1つで色んなものを洗えます。
その中でも特に「約40℃毛布コース」が便利!
洗濯機の中で温めた温水を使って、毛布に蓄積した皮脂をしっかり落としてくれる強力なコース。頻繁に洗わないものだからこそ、徹底的に清潔にできます。
もう少し予算が出せるならNA-LX129Cがおススメ
水で洗えない衣類の除菌・消臭、花粉対策や洗濯槽の黒カビ抑制ができる「ナノイーX」を搭載した最上位モデルもあります。それが「NA-LX129C」です。
また、液晶タッチパネル操作になるので、操作方法もガイド付きで使いやすいです。
タッチ液晶はボタンが少なくなるので洗濯機本体のデザインがスッキリして見た目もよりスタイリッシュになります。
LX129については別でレビュー記事があるので興味があればそちらもチェックしてみてください。
まとめ
メーカー指定価格商品となっている日立のドラム式洗濯機2機種「BD-STX130J」「BD-STX130J」がヨドバシカメラで販売されていない理由を家電のプロ目線で解説してみました。
日立ドラム式洗濯機は故障が多いから取り扱いしなくなったとの噂もありますが、その信ぴょう性は低く、恐らくヨドバシ側と商談の折り合いがうまくいっていないからだと思われます。
今回の日立ドラム式洗濯機上位機種は、省エネ性の高いヒートポンプ乾燥に対応したことで注目されていますが、パナソニックの方が省エネ性が高く、絶対的なものではありまん。
「より大容量の洗濯をしたい!」「とにかくお手入れを少なくしたい!」そんな人に日立はピッタリです。
あなたの目的や重要視しているポイントに合わせて洗濯機選びをしましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。