冷蔵庫には、“「野菜室」と「冷凍室」どっちが真ん中がよいか問題”というのがあります。
数年前までは「冷凍室真ん中タイプ」が主流でしたが、最近では各メーカーが「野菜室真ん中タイプ」をラインナップしてきており、冷蔵庫選びで悩む人が増えています。
この記事では、なぜしばらく野菜室真ん中冷蔵庫が少なかったのかを含めてそのデメリットについて解説してきます。
本記事の信頼性
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- こんな悩みを解決します
- ・野菜室真ん中冷蔵庫のデメリットを知りたい
・野菜室と冷凍室、どっちが真ん中がよいか知りたい
Contents
野菜室真ん中冷蔵庫のデメリット
「野菜をよく使うから」ということで、野菜室真ん中冷蔵庫をチェックする人が多いですが、いくつかのデメリットが存在します。
- 省エネ性が下がる
- 容量が少なくなる
- 冷凍室が使いづらくなる
省エネ性が下がる
15年以上前の冷蔵庫は野菜室真ん中がメインでした。
しかしそれ以降、家電製品に省エネ性が求められるようになり各メーカーが行った対策が、「冷やすべき部屋は近くに配置する」ということ。
野菜室は冷蔵庫の中でも一番温度が高く(約5℃~8℃)、冷蔵室や冷凍室と比較すればそこまで冷やす必要がない部屋。それをしっかり冷却が必要な冷蔵室、冷凍室の間に配置してしまうと、効率がどうしても落ちてしまいます。
容量が少なくなる
数年前から、野菜室真ん中冷蔵庫のラインナップが増えてきています。三菱やパナソニック、最近では日立からもファミリー向け冷蔵庫で野菜室真ん中をラインナップしています。
- 各メーカーの野菜室真ん中冷蔵庫
- 三菱(MZシリーズ):MR-MZ54K
パナソニック(HVシリーズ):NR-F53HX1
日立(VWシリーズ):R-VW50V
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ちなみに東芝は昔からずっと野菜室真ん中タイプのみ展開していて、今はシャープも野菜室真ん中タイプが主流です。
技術の進歩もあり、省エネ性を維持しつつ野菜室を真ん中に配置することは現代では可能となっていますが、この方法にもデメリットが1つ。
冷凍室真ん中タイプと比較して庫内容量が減ってしまうという事です。
東芝や日立のようにコンプレッサーを2つ搭載したり、三菱やパナソニックのように野菜室周りに通常よりも多く断熱材を入れたりすることで省エネ性や温度管理が可能となっていますが、どちらにしろ内部に部材が増えているのは事実。その分庫内が圧迫されるので、食材を収容するスペースは減ってしまいます。
三菱の冷蔵庫を参考にしてみましょう。
型式 | MR-WZ55M | MR-MZ54M |
真ん中の配置 | 冷凍室真ん中 | 野菜室真ん中 |
寸法(mm) 幅×奥行き×高さ | 650×699×1,833 | 650×699×1,833 |
容量 | 547L | 540L |
年間消費電力量 | 266kWh/年 | 274kWh/年 |
どちらも横幅×奥行き×高さすべて同じ寸法になっていますが、冷凍室真ん中タイプの方が容量が大きく、省エネ性も高くなっています。
冷凍室が使いづらくなる
引き出しの開け閉めの回数でいうと、確かに野菜室の方が多いかもしれません。しかし野菜室から必要な野菜を探し出すのにそんなに時間は掛からないのではないでしょうか。
野菜室に収納している食材数ってそこまで多くないはずです。つまり見つけるのが簡単ということ。
では、冷凍室はどうでしょうか。
冷凍室に収納している食品は種類も多く、整理されていないこともあります。その中から必要なものを取り出すとなると、ガサガサと漁ったりするので時間が掛かります。
であれば、楽な姿勢で欲しい食材を探せる方が良くないですか?
冷凍室真ん中もそんなに悪くなく、むしろ効率的なんです。
そもそも料理中に何度も冷蔵庫を開け閉めするのは非効率
野菜室真ん中派の意見の1つに「野菜は何度も出し入れしないといけないから。」があります。
料理する際にその都度必要な食材を取り、カットし、また冷蔵庫に戻す。そして次の食材を取り出して…。
そもそもですが、そんなの非効率です。
最初に必要な材料を全て取り出して置き、カットや計量を済ませ、不要なものはすべて一気に冷蔵庫に戻す。
こちらの方が断然効率的です。
冷蔵庫にしても開閉回数が少ない方が省エネ性、本体の耐久性どちらにも良く、まさに一石二鳥です。
野菜室真ん中冷蔵庫を選ぶべき人
色々デメリットを伝えてきましたが、もちろん冷凍室の使用頻度自体が少ない人もいるはずです。
実際に家電量販店で案内をしているときも、「冷凍室自体いらない」という声も一部ありました。
- 野菜室真ん中冷蔵庫から使い勝手を変えたくない
- 冷凍室をほとんど使わない
こういう場合はもちろん、野菜室真ん中タイプを選びましょう。
まとめ
省エネ性や容量、冷蔵庫全体としての使い方で考えれば、野菜室真ん中タイプはデメリットがあります。特に最近は冷凍技術の向上で冷凍食品のクオリティも高くなり、使い勝手の良い冷凍食品が増えました。家庭でも野菜の冷凍も簡単になるなど、冷凍室を使う機会が増えてきています。
このような時代やトレンドが反映されているので冷凍室真ん中タイプが今の主流ではありますし、私個人としては「冷凍室真ん中タイプ」をおススメしています。
しかし、冷蔵庫を毎日使用するのはあなた自身です。
だからこそ、あなたにとっての使い勝手を一番重要視すべきだと思います。
今回は色々と野菜室真ん中のデメリットも書きましたが、その情報を参考にしたうえで最終的にあなた自身が一番だと思った商品を選ぶことが失敗しない家電の選び方です。
家電のプロ目線でおすすめ冷蔵庫についても紹介しているのでこちらもチェックしてみてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。