シャープの縦型洗濯機は洗濯槽に穴が無いからカビが生えなくてお掃除不要って聞いたんだけど本当?
結論から言うと、お手入れしなくてもにカビが生えない洗濯機はありません。あくまでも槽内へのカビ侵入を抑制するものなので、定期的なお手入れは必要です。
シャープ(SHARP)の縦型式洗濯機で採用されいてる穴なし槽。
穴なし槽はシャープの特許技術となっているため、他メーカーでは一切採用されていない、シャープ洗濯機独自の方式。なので槽洗浄も一般的なやり方も異なります。
今回は穴なし槽洗濯機の槽洗浄のやり方、そして穴なし槽のメリットとデメリットを紹介していきます。
本記事の信頼性
- こんな悩みを解決します
- ・穴なし槽のお手入れ方法を知りたい!
・穴なし槽のメリットとデメリットを知りたい!
Contents
思わぬデメリット。シャープ洗濯機「穴なし槽」の槽洗浄はかなり面倒
シャープの縦型洗濯機を使っている人も知らない人が多い、穴なし槽のお手入れ方法。
一言でいうと、穴なし槽の槽洗浄はかなり面倒な作業が必要になります。
槽洗浄のやり方があまりにも複雑
一般的な穴“あり”槽の場合は、洗浄剤を入れて「槽洗浄」コースを押せばOK。しかし穴なし槽の場合はそういうわけにはいきません。
2022年発売の現行モデルである、シャープ縦型洗濯機(ES-GW11G)の取扱説明書内に記載されている槽洗浄についての項目をチェックしてみましょう。
まさかの取扱説明書に記載せずに、お手入れしたかったら別サイトからチェックしてくださいという内容。ちなみにサイトはこちら
ざっくりまとめると、
- 排水ホースを排水口から抜いて洗濯機本体に引っ掛ける
- 洗濯槽クリーナーを入れて裏設定のようなやり方でつけ置き洗浄スタート
- ブザー音が鳴ったらバケツを用意して水が出なくなるまで排水を繰り返す
- 排水ホースを排水口に接続する
- スタートを押して運転再開(すすぎ・脱水)→終了
え、ホースを抜いてバケツを用意?しかも工程が複雑…。
排水される水の量もバケツ1杯じゃ到底入りきらないので数回に分けなきゃいけないし、とくに排水ホースの抜き差しはしっかりできていないと洗濯中の水漏れの原因にもなるので注意が必要です。
槽クリーンってボタンは槽洗浄とは違うの?
シャープの縦型式洗濯機には「槽クリーン」や「槽洗浄」という名称でのお手入れ方法が記載されています。
でもこれは他メーカーの洗濯機でいう「槽洗浄」とは全く別のやり方になりますし効果も限定的です。
槽クリーン
取扱説明書に記載されている通り、水道水3Lを使って洗濯槽の裏側やパルセーターをお掃除してくれます。
しかし洗浄剤を使用していないのと、たった3Lの水で3分ほどの運転なので「すすいでいる程度」のお手入れ。カビを落とすまでの効果は期待できません。
槽洗浄
こちらはしっかり洗浄剤を使うコースですが、しっかり説明書を見ると「洗濯槽の内側を洗浄」とあります。
全然やらないよりはマシですが、カビが生えて面倒なのは槽の外側。
洗濯槽の裏側まで洗浄ができないとしっかりカビ対策にはなりません。
他メーカーは槽洗浄コースを選ぶだけでOK
こちらは日立洗濯機(BW-V90F)の取扱説明書に記載されている内容。
穴“あり”槽の他メーカー洗濯機は、洗浄剤投入後、「槽洗浄コース」を選んでスタートを押すだけ。特別な工程も無く、誰でも簡単にできます。
ポイント
他メーカーの縦型式洗濯機は洗濯工程(すすぎ時)に洗濯槽の裏側を自動で洗ってくれるタイプが主流になってきており、よりカビが生えにくいようになっています。
シャープ縦型式洗濯機「穴なし槽」のデメリット
私が家電量販店の販売員をしていた時も、穴なし槽のデメリットを知らない人が多かったです。
メリットは認知度も結構高かったのですが、デメリットが他メーカーの洗濯機と違って特徴的なので購入前の方はしっかり確認してから購入を検討しましょう。
デメリット① カビ対策が難しい
この記事内で説明してきている通りですね。
カビが内側に入ってきにくい構造は確かにメリットだと思いますが、カビ問題はニオイ問題にも発展しますし、洗濯槽下のパルセーターの穴から侵入してくる可能性もあります。
結果、カビ対策は必要になってくるので槽洗浄はやらないといけないのです。
販売員時代、目に見えないから「ずっと使っててもカビが生えなかった!」と勘違いされているお客様もいらっしゃいましたが、そんな事はありません。見えないところでカビだらけだと思います。
デメリット② 運転音が大きい
シャープの穴なし槽洗濯機は他メーカーのタイプに比べて運転音が大きいです。
洗濯容量10kgタイプで日立とシャープの運転音を比較してみましょう。
- 日立(BW-X100H):洗濯時32db/脱水時38db
- シャープ(ES-GV10G):洗濯時38db/脱水時38db
洗濯機は脱水時の音が一番大きい(乾燥時を除く)ですが、シャープは洗濯時ですでに脱水時と同等の運転音。
ちなみに、シャープ洗濯機は脱水時もうるさいというクチコミもあるようですが、数字としての検証結果が無い部分なので使用者個人の一意見としてくらいで認識していると良いかと思います。
デメリット③ 脱水が弱い
穴“あり”槽の方がすぐに水を槽の外側に排出できるので、断然脱水は効率的だろうというのは想像できると思います。
穴なし槽はどうしても槽外に水分を排出するのには非効率です。洗濯槽の高速回転で遠心力を利用して槽上部の穴から脱水との事ですが、どうしても残りが出やすい。
実際にクチコミでも多く指摘が入っていますし、気になるなら設定で脱水時間を伸ばすなどで対応するのが良いでしょう。
シャープ縦型式洗濯機「穴なし槽」のメリット
もちろん穴なし槽も悪いところばかりではありません。ちゃんと良い点もあります。
あなたが今から解説するメリット部分を洗濯機選びで重視していれば、シャープ縦型式洗濯機が検討候補に入るはずです。
「穴なし槽」メリット① 節水
穴なし槽一番のメリットです。
洗濯槽の外側への水抜けが無い分、少ない水で槽内に水を貯める事が出来ます。
1日あたりの洗濯回数が多い家庭や、水道代が高い地域にお住まいの方は恩恵を受けるでしょう。
注意ポイント
実は穴なし槽の節水での恩恵を受けるのは洗濯容量8~9kgタイプまで。10kg以上のタイプはほとんど他メーカーの洗濯機と使用水量の差はありません。節水重視で選ぶなら洗濯容量9㎏以下で選びましょう。
「穴なし槽」メリット② 乾燥機能付きでも内蓋いらず
これは乾燥機能が搭載された洗濯機でのメリットになります。
乾燥時に温風を入れる際、穴なし槽であれば外槽に熱が逃げにくく内槽で効率よく乾燥ができます。
その為もあるのでしょうが、シャープの縦型式洗濯乾燥機は他メーカーと違って内蓋がありません。
内蓋が無いことで投入口を広くできて衣類の出し入れが簡単。槽内ものぞきやすくなっています。
まとめ:シャープの穴なし槽はデメリットも理解しておくべき
「目の付けどころがシャープ」や「目指している、未来がちがう。」をスローガンにしているだけあって他と一線を画す製品が多いシャープ製品。
もちろん「なるほど!」という便利な機能、画期的な機能が付いている家電製品も多いのですが、生活の中で日常的に使う製品に関しては使い方をしっかり把握しておくことが大事です。
とにかくシャープ縦型式洗濯機の特徴である「穴なし槽」はカビが生えない訳じゃないということ。
そして槽洗浄は穴“あり”槽に比べて大変ということを知ったうえで、洗濯機を選んで頂けたらなと思います。
すでにシャープ穴なし槽洗濯機を使っている人で、「お手入れが面倒」だったり、「洗濯機の衛生面が気になる」という人はプロの清掃に任せるのもアリですね。
洗濯槽のクリーニング業者ならおそうじ本舗が個人的におススメ。
追加オプションで洗濯パンや排水口の掃除もしてくれるから結構便利。市販ではない本格的な洗浄剤を使うから効果が全然違います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。